エリア別マンション売却
広尾のマンション売却相場と、住宅地の成り立ち
広尾4丁目には、広尾ガーデンヒルズや広尾ガーデンフォレスト、日本赤十字社医療センター、学校など、大きな敷地を使った施設や住宅がまとまっています。
一方、広尾5丁目は祥雲寺の門前から続く商店街と住宅地があり、明治通り・外苑西通り沿いでは建物の使われ方も変わります。
広尾を「高級住宅地」という一言で見るより、この二つを知っておく方が、現在の街の形は分かりやすくなります。
渋谷区の中古マンション価格を長期で見る
最初に価格の大きな流れを確認します。
ここで使うのは広尾単独ではなく、渋谷区全体の中古マンション成約㎡単価です。
2002年度は67.06万円/㎡。2025年度は220.47万円/㎡まで上がっています。
ただ、24年間ずっと上がり続けてきたわけではありません。2007年度の93.20万円/㎡から、2011年度には74.10万円/㎡まで下がった時期もあります。
現在は20年以上で見ても高い水準です。ただし、このグラフから「これからも上がる」「今が天井」と判断することはできません。
また、年度ごとに成約しているマンションの築年や広さなども違います。渋谷区平均の上昇率を、そのまま広尾の個別マンションへ当てはめるものでもありません。
- 2002年度:67.06万円/㎡
- 2003年度:65.99万円/㎡
- 2004年度:69.13万円/㎡
- 2005年度:71.68万円/㎡
- 2006年度:75.66万円/㎡
- 2007年度:93.20万円/㎡
- 2008年度:84.00万円/㎡
- 2009年度:79.25万円/㎡
- 2010年度:80.96万円/㎡
- 2011年度:74.10万円/㎡
- 2012年度:74.19万円/㎡
- 2013年度:78.44万円/㎡
- 2014年度:93.49万円/㎡
- 2015年度:97.27万円/㎡
- 2016年度:102.22万円/㎡
- 2017年度:104.30万円/㎡
- 2018年度:107.58万円/㎡
- 2019年度:112.62万円/㎡
- 2020年度:119.09万円/㎡
- 2021年度:137.09万円/㎡
- 2022年度:153.67万円/㎡
- 2023年度:163.52万円/㎡
- 2024年度:187.48万円/㎡
- 2025年度:220.47万円/㎡
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「中古マンションの区市町村別成約状況」。広尾単独ではなく、渋谷区全体の中古マンション成約データです。年度ごとに成約物件の構成も異なります。
広尾4丁目には、大規模な住宅群と医療・教育施設がまとまっています
広尾4丁目を歩くと、都心としてはかなり大きな敷地がまとまって残っています。
これは偶然ではありません。
渋谷区の景観計画では、この一帯について、江戸時代の大名屋敷から続く大規模な敷地を背景に、日本赤十字社医療センターや学校、大規模な集合住宅などが形成されてきたことが示されています。広尾ガーデンヒルズも、その特徴的な土地利用の一つとして挙げられています。
広尾ガーデンヒルズは、約6万6,000㎡の敷地に15棟・1,181戸を配置した大規模な住宅開発で、1987年に全体が竣工しました。
そして2000年代には、日本赤十字社が広尾地区を改めて全面的に再整備します。
その一環として計画されたのが、広尾ガーデンフォレストです。約2万9,900㎡の敷地に計画戸数670戸。日本赤十字社の医療・看護・保健・福祉拠点の再整備と並行して整備された定期借地権付きマンションでした。
広尾4丁目は、大規模マンションが点在しているだけの場所ではありません。もともとの大規模な土地利用を引き継ぎながら、住宅・医療・教育・福祉をまとまった敷地で整備してきた地域です。
広尾のマンションを見ているときに、ほかの駅前住宅地とは少し違って見える理由の一つです。
- 大名屋敷などに由来する大規模敷地
- 広尾ガーデンヒルズ全体竣工 約6.6ha/15棟/1,181戸
- 日本赤十字社 広尾地区再整備
- 広尾ガーデンフォレスト 計画戸数670戸 + 日本赤十字社医療センター 看護大学 総合福祉センター等
各施設・住宅は同一の事業ではありません。広尾4丁目に大規模な土地利用がまとまって形成されてきた経緯を簡略化して示しています。
広尾5丁目は、商店街・住宅地・幹線道路沿いを分けて街並みを整えています
広尾駅の近くでも、5丁目へ入ると4丁目とは土地の使われ方がかなり違います。
渋谷区は2007年、広尾5丁目の約14.3haについて地区計画を決定しました。
計画では、広尾5丁目を一律に扱っていません。
祥雲寺の門前と広尾散歩通り周辺、内側の住宅地、明治通り・外苑西通り沿道など、それぞれの性格に合わせて土地利用や建築ルールを設定しています。
例えば住宅地では、狭い道路の改善や住環境、防災性を考えながら街並みを維持する方針。
一方、明治通り・外苑西通り沿いでは、住宅だけではなく商業・業務も含めた土地利用を想定しています。
そのため、同じ「広尾」という住所でも、
4丁目の大規模な敷地を使った住宅・医療・教育施設のまとまり
と、
5丁目の門前・商店街・住宅地・幹線道路沿道が混ざる街
では、成り立ちが違います。
これはマンション価格を機械的に分けるための話ではありません。
広尾のマンションを所有している人が、自宅の周辺がなぜ今の街並みになっているのかを理解する材料として押さえておくと十分です。
マンションの売却を考え始めたら
広尾について調べるとき、駅からの距離や「広尾」という住所だけでは見えない部分があります。
特に4丁目と5丁目では、現在の住宅地ができた経緯そのものが違います。
ただし、こうした街の成り立ちだけでマンションの売却価格が決まるわけではありません。
自宅についてもう少し具体的に知りたい場合は、査定価格の見方や売出価格、媒介契約など、気になるテーマから確認してみてください。
まだ売却すると決めていない段階でも構いません。