エリア別マンション売却

渋谷駅周辺でマンションを売る前に知っておきたい、街の現在地

渋谷駅周辺は、ここ十数年で街の姿が大きく変わりました。

渋谷ヒカリエ、渋谷ストリーム、渋谷スクランブルスクエア、渋谷フクラス、渋谷サクラステージなどが相次いで開業しましたが、渋谷駅の再整備はまだ終わっていません。

渋谷区は、渋谷駅と駅を中心とする歩行者ネットワークについて2030年度の概成を掲げています。駅施設の更新だけでなく、東西を結ぶ通路や広場などを含む都市基盤の整備が現在も続いています。

さらに駅の周囲では、桜丘だけでなく、道玄坂、宮益坂、渋谷二丁目、公園通りなどで別々の再開発事業が進んでいます。

こうした再開発によってマンション価格が上がると決めつけることはできません。

ただ、渋谷駅周辺にマンションを所有しているなら、購入した頃と現在で街の何が変わり、さらに何が変わろうとしているのかは知っておきたい情報です。

渋谷区の中古マンション価格を24年で見る

渋谷区 中古マンション成約㎡単価の推移|2002〜2025年度
渋谷区の中古マンション成約平方メートル単価の推移2002年度から2025年度まで、24年度分の成約平方メートル単価を示す折れ線グラフです。60100140180220万円/㎡67.06200293.20200774.10201193.492014119.092020220.472025年度渋谷区の中古マンション成約平方メートル単価の推移2002年度から2025年度まで24年度分の成約平方メートル単価を示す折れ線グラフです。60140220万円/㎡67.06200293.492014220.472025年度
  • 2002年度:67.06万円/㎡
  • 2003年度:65.99万円/㎡
  • 2004年度:69.13万円/㎡
  • 2005年度:71.68万円/㎡
  • 2006年度:75.66万円/㎡
  • 2007年度:93.20万円/㎡
  • 2008年度:84.00万円/㎡
  • 2009年度:79.25万円/㎡
  • 2010年度:80.96万円/㎡
  • 2011年度:74.10万円/㎡
  • 2012年度:74.19万円/㎡
  • 2013年度:78.44万円/㎡
  • 2014年度:93.49万円/㎡
  • 2015年度:97.27万円/㎡
  • 2016年度:102.22万円/㎡
  • 2017年度:104.30万円/㎡
  • 2018年度:107.58万円/㎡
  • 2019年度:112.62万円/㎡
  • 2020年度:119.09万円/㎡
  • 2021年度:137.09万円/㎡
  • 2022年度:153.67万円/㎡
  • 2023年度:163.52万円/㎡
  • 2024年度:187.48万円/㎡
  • 2025年度:220.47万円/㎡

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「中古マンションの区市町村別成約状況」。このグラフは渋谷駅周辺だけではなく、渋谷区全体の中古マンション成約データです。年度によって成約したマンションの築年、面積、立地なども異なるため、特定マンションの価格推移を示すものではありません。

このグラフでは、直近数年だけを切り取るのではなく、現在の中古マンション市場が長期の中でどのような位置にあるのかを確認します。

個別マンションの価格を確認するときは、この区平均をそのまま専有面積に掛けるのではなく、そのマンション自身の過去の売出事例や、現在販売されている物件などを別に確認する必要があります。

渋谷区のマンション売却相場|価格推移とエリア別の特徴

渋谷駅は、まだ完成形ではない

大規模な再開発が進んできた渋谷ですが、駅とその周辺の整備は現在も続いています。

これまでにJR埼京線ホームや東京メトロ銀座線ホームの移設、東口地下広場、渋谷川、雨水貯留施設などが整備されてきました。

現在は、駅、周辺施設、広場、歩行者通路をつなぐ整備が進められています。

渋谷区は、渋谷駅と駅を中心とする歩行者ネットワークを2030年度に概成する計画を示しています。

現在の渋谷駅周辺を見るときは、すでに完成した施設だけでなく、これから何が変わる予定なのかも分けて確認しておく必要があります。

桜丘側|サクラステージ完成後も、駅との接続整備が続いている

渋谷駅南西側で特に大きな変化があったのが桜丘です。

渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業は、桜丘町・道玄坂一丁目・渋谷三丁目にまたがる約2.6haの事業です。

A街区には事務所・店舗など、B街区には住宅・事務所・店舗などが計画され、住宅建設目標は約155戸。現在の渋谷サクラステージにつながる大規模な街区再編となりました。

ただし、桜丘側で変わったのは建物だけではありません。

JR線を越える移動が変わる

国道246号南側では、JR線によって東西方向の歩行者動線が分かれていました。

現在整備されている渋谷駅南口北側自由通路は、この東西をつなぐ通路です。

地上3階レベル、全長約50m、幅約12mで、西側の渋谷サクラステージから東側の渋谷ストリームへ接続します。

完成予定は2026年度末です。

桜丘町周辺のマンションを以前から所有している人にとっては、駅までの距離そのものは変わらなくても、駅や線路東側への歩き方が変わってきていることは、このエリアの大きな変化の一つです。

宮益坂・渋谷二丁目側|駅東側でも大規模な更新が続く

再開発は桜丘側だけではありません。

渋谷駅東側では、宮益坂地区、渋谷二丁目西地区、渋谷二丁目22地区など、複数の市街地再開発事業が進められています。

渋谷二丁目西地区は、渋谷二丁目に位置する約2.3haの再開発事業です。

宮益坂地区でも、渋谷一丁目・二丁目にまたがる市街地再開発事業が都市計画決定されています。

さらに渋谷二丁目22地区でも市街地再開発の計画が進んでいます。

「渋谷駅の再開発」という一つの事業があるのではなく、駅を囲む複数の街区で、それぞれ別の更新が進んでいるのが現在の渋谷です。

道玄坂側|駅前だけでなく、街区の更新が進む

渋谷駅西側では、道玄坂でも変化が続いています。

道玄坂二丁目南地区第一種市街地再開発事業は、道玄坂二丁目の約0.8haを対象とする事業です。

計画されている主な用途は、事務所・ホテル・店舗・駐車場です。

道玄坂二丁目では、この再開発だけでなく地区計画も定められています。

大型施設一棟の建替えだけを見るのではなく、周辺街区を含めた街づくりが進められている地域として確認しておきたい場所です。

公園通り・神南・宇田川町側にも変化がある

渋谷駅周辺の変化は、駅直結エリアだけではありません。

神南・宇田川町周辺でも地区計画やまちづくりの方針が定められています。

さらに公園通り西地区第一種市街地再開発事業も進められています。

渋谷駅周辺を「駅前の再開発」だけで捉えると、この広がりを見落としてしまいます。

桜丘、道玄坂、宮益坂、渋谷二丁目、公園通りなど、駅を囲む複数の場所で異なる計画が進んでいることが、現在の渋谷駅周辺の特徴です。

渋谷駅周辺で進む主な計画

主要再開発・都市基盤整備一覧
エリア・計画主な内容現在地
渋谷駅桜丘口地区約2.6haの街区再編。住宅約155戸を含む大規模整備完了
渋谷駅南口北側自由通路サクラステージと渋谷ストリームを接続2026年度末完成予定
渋谷駅中心地区駅・広場・歩行者ネットワーク等の整備2030年度概成予定
渋谷二丁目西地区約2.3haの市街地再開発事業進行中
宮益坂地区渋谷一・二丁目の市街地再開発事業進行中
渋谷二丁目22地区渋谷駅東側の市街地再開発都市計画決定済み
道玄坂二丁目南地区約0.8ha。事務所・ホテル・店舗等事業進行中
公園通り西地区公園通り側の市街地再開発事業進行中

この一覧で確認したいのは、再開発の数ではありません。

すでに完成したもの、現在進んでいるもの、これから形になるものが同時に存在していることです。

渋谷駅周辺は、「再開発が終わった街」とも「これから再開発される街」とも一言では表せません。

渋谷駅の変化を時間軸で見る

渋谷駅周辺の街の変化・タイムライン
  1. 駅ホーム移設、渋谷川、東口地下広場、雨水貯留施設などを順次整備
  2. 渋谷サクラステージ竣工 桜丘側の街区整備が大きく進む
  3. 渋谷駅南口北側自由通路完成
  4. 渋谷駅と駅を中心とする歩行者ネットワーク概成

渋谷駅周辺に長く住んでいると、工事が続いている風景自体は珍しく感じなくなるかもしれません。

長い時間軸で見ると、ホームの位置から駅を横断する歩行者動線、駅前広場、周辺街区まで、広い範囲で整備が続いていることが分かります。

マンションを売るとき、街の「今」をどう伝えるか

渋谷駅周辺のマンションを売却するときに、再開発を理由として査定価格へ機械的に金額を上乗せすることはできません。

一方で、購入検討者へ物件を紹介するときに、以前の街のイメージのまま説明するのも適切ではありません。

桜丘側なら、サクラステージの完成だけでなく、駅南側の歩行者動線がどう変わったのか。

宮益坂・渋谷二丁目側なら、現在どの街区でどのような計画が進んでいるのか。

道玄坂側なら、どの範囲で街区の更新が進められているのか。

そのマンションが建つ場所の現在を、正確に説明できることが大切です。

渋谷駅周辺は変化が大きいからこそ、「渋谷駅徒歩○分」という物件概要だけでは伝わらない情報があります。

渋谷駅周辺でマンション売却を考え始めたら

渋谷駅周辺では、すでに完成した大規模開発がある一方、駅そのものや周辺街区の整備は現在も続いています。

こうした街の変化と、所有しているマンションの査定価格は分けて考える必要があります。

売出価格を考えるときは、街の現在を把握したうえで、そのマンション自身の過去の売出事例や現在販売されている物件、住戸固有の条件を確認します。

マチPortでは、マンションごとに過去の売出事例や現在の販売状況を整理しています。

マンションの売出価格の考え方|査定額・手残り・住み替えをどう考える?